電話対応【by北村宣晃(師父親鸞)】
こんにちは、北村宣晃(師父親鸞)です。
今日はビジネスにおける電話対応の作法についてお話していきたいと思います。
私もフリーライターという職業柄、仕事の打ち合わせなどは電話で済ませることが多いです。
ですが特によく知った担当と話すことばかりなので、きちんとした作法にのっとって電話対応できている自信は正直ありません。
しかも相手と直接対面するわけではないため、どこか適当な対応をしてしまう嫌いがあるように思います。
電話口でのしゃべり方も、くだけた感じがいいのかそれとも慇懃丁寧に応対しないとまずいのかも通話相手によって大きく違うでしょう。
皆さんの職場はいかがでしょうか?
ガッチガチな紋切り型の応対しか許されないような環境もあるかもしれません。
あるいはかなりフランクに打ち解けて話さないと受けの悪い所もあるかもしれません。
ですので、これがもっとも適切だという電話対応の型はないのかもしれません。
今日お話しするのは、あくまでも無難な電話対応の作法です。
「うちの会社でそんな対応の仕方したら浮くわ!」
そういう方もいらっしゃるかもしれませんが(どちらかというと私もその口)、あくまで基礎技術として知っておいて損はないと思います。
今の世の中いつ転職しなくてはならない状況に見舞われるかわかりません。
そんなとき、「以前の会社ではそんなやり方でやってなかったからワカラン!」というのは通用しないかもしれませんしね(私は通用せず苦労しました)。
基本フレーズ
まずは初歩の初歩!
さすがにこれは問題ありませんね?
- 「いつもお世話になっております」:先方が名乗ったとき
- 「少々お待ちください」:電話を取り次ぐとき
- 「お待たせいたしました」:取り次がれて電話に出るとき
- 「申し訳ございません」:クレームや先方の要望にこたえられないとき
- 「かしこまりました」:注文を受けたときなど
- 「失礼ですが……」:先方に願い出るとき、名前を尋ねるとき
電話対応のエチケット
- 電話は3コール以内に
- まず自社と自分を名乗る
- 先方の社名・名前を必ず確認する
- 重要な内容は必ず復唱する
内線・外線の対応
まず内線・外線とは何でしょうか?
知ってはいますがあいまいな認識の方もいらっしゃると思いますので改めて確認します。
「外線」には「代表電話」と「直通電話」の二種類があります。
「代表電話」は会社の窓口としての電話でお客様や初めて電話する企業様から掛かってくるものです。
「直通電話」は取引先の電話が多いです。名乗った上で挨拶をするのが良いでしょう。
いずれも外部からの電話になりますので丁寧な対応が求められます。
「内線」は社員同士の電話です。
他にも無人の受付から外部の方がかけてくることもあります。
社員同士のものであれば「お疲れ様」と一言言うのがマナーです。
取次ぎの要領
- 先方の名前と社名を必ず復唱確認
- 保留ボタンを必ず押す(通話口を手で押さえただけはNG)
- 担当者にメモと併せて取り次ぐ
担当者不在の場合
先方がそのまま待つ場合
「少々お待ちください」
と伝えます。
ただし30秒以上待たせるのはマナー違反です。
その場合は「担当者から連絡させます」と先方に伝えましょう。
先方がかけ直す場合
「承知いたしました。お電話頂戴したことを担当者に申し伝えます」
と伝えましょう。
そのとき担当者には先方が今電話に出られるということも伝えましょう。
可能であればこちらから折り返すことで先方に手間を取らせないという対応もできるかもしれません。
先方が折り返し電話を希望する場合
「承知いたしました。念のためお電話番号をお願いします」
と尋ね、電話番号・社名・名前をメモしましょう。
そのとき必ず先方に電話対応をした自分の名前も伝えておきましょう。
後々誰が対応したのかわからなくなってしまうと面倒です。
先方が伝言を頼んだ場合
「はい、承ります」
と言って内容をメモに記録しましょう。
復唱確認も忘れずにして、上記と同様に自分の名前も伝えましょう。
電話取次ぎでの失敗パターン
皆さんはここまで読んで「馬鹿にしてんのか!?」とお思いになるかもしれません。
ですが新卒の方や、まだ社に来て間もない方などを見ていますと、ぱっと見キチンと電話対応をこなしているようで、いざふたを開けてみるとどこか抜けているところがあるということは割とあるように思います。
ですので以下の要点を意識して慎重に受話器をもつと良いのではないかと思います。
- 用件を良く聞いていなくて、取次ぎ後の電話で必要な部署につながらず先方をたらいまわしにしてしまう
- 待たせすぎて先方の怒りを買う
- 取次ぎのときに担当者に用件を伝えてないために、先方に再度説明させてしまう
- 担当者に伝言メモを渡し忘れるか、そもそもメモを取っていないケース
会議中で担当不在のケース
担当者が会議中の場合、取り次ぎ方は慎重に行いましょう。
いくら会議中とはいえ、緊急の要件の場合であれば可能な限り担当者に早急に取り次ぐ必要があります。
この辺の気の回しようが勝負の分かれ目ですね。
もし緊急の要件の場合以下の対応が望ましいでしょう。
会議室に内線を回す
会議室に内線がある場合に限っての話ですが、
「○○様から緊急のお電話が入っております。おつなぎしてもよろしいでしょうか」
とたずねて指示を仰ぎましょう。
会議室に直接出向く
会議室の担当者の元へ出向き「失礼します」と一言述べた上で、メモを渡して指示を仰ぎましょう。
担当者が在社していないケース
外出先から戻っていない場合
「本日○○は外出しておりまして、××時には戻る予定ですが」
と伝えましょう。
もし緊急の要件であれば、担当者の携帯に自ら確認の電話をしましょう。
くれぐれも先方に担当者の携帯番号を断りもなく伝えるようなことは避けましょう。
出張中の場合
「あいにく○○は×月△日まで主張でして」
と伝えましょう。
当然いつ戻ってくるかは先方に忘れず伝えましょう。
緊急の要件であれば、直接担当者に連絡を取り折り返し先方に連絡するように促しましょう。
欠勤・休暇の場合
「申し訳ございません。本日○○はお休みをいただいておりまして」
と伝えましょう。
先方にはいつ担当者が出社するか予定を伝えてください。
ただし休暇・欠勤の場合、その理由は自分の判断で勝手に伝えてはいけません。
どうしてもその理由を伝える必要があれば、上司や本人に指示を仰ぎましょう。
退社している場合
「本日は失礼させていただきました」
と伝えましょう。
ただし大事な得意先など配慮の必要な相手の場合は、
「外出しておりまして、本日は社に戻らない予定です」
と臨機応変に受け答えするのが望ましいでしょう。
遅刻の場合
「本日○○は立ち寄るところがございまして」
と伝えるのが大人の対応です。
遅刻とストレートに言ってしまうと、本人ばかりか会社の信用に影響を与えかねません。
この場合外出中という扱いにしておくのが無難です。
上司の家族から電話が掛かってきた場合
「いつもお世話になっております。申し訳ございませんが、ただいま○○課長は会議中でして」
と伝えましょう。
上司の家族に対してですので、呼び捨てではなく敬称である役職名で呼ぶことに注意しましょう。
【執筆者:北村宣晃】